新しもの好きプログラマの耳より情報ブログ

仕事でもあるプログラミングについて役に立ちそうな情報を発信していこうというブログです。役に立たなそうな情報はfacebookで。

SlackとTeamsの使い分け方 社内で併用してみて考えたこと

ビジネスチャットツールの中で比較的メジャーな2つ、SlackとTeamsを社内で使っている。この2つは似ているようでいて、使ってみるとかなり違いがある。社内でも使い分けに悩むという声が上がっているので、違いをまとめてみようと思う。

まとめ

Teamsはタスクフォースを作るツール。事前に決めたメンバーの中で、会話もファイルもすべてを共有する。

Slackは個人単位の即席コラボレーションを作るツール。話題ごとにメンバーが変わり、別部署の人が会話に参加したりもする。

つまり、同じ「ビジネスチャットツール」だが、導入することで促進されるコミュニケーションの形が違う。どちらも無料プランがあるし、棲み分けができるので、プロジェクトの性質によって使い分けるのがよさそう。

例えば営業と開発で使うとしたら、

営業と開発それぞれの中で議論し、後で結論だけ部署間の議論へエスカレーションするのがTeams。

営業の会話に、急に開発が「それならこういう提案ができる」などと割り込んでくるのがSlack。

実例

自分が関わっている開発では、次の要求からSlackを主体に使っている。

  • 開発ラインごとに縦割りではなく、ラインを超えた情報共有やアドバイスが出るようなチームにしたい
  • それほど大きくないチームなので、リーダーなど全体を見る立場の人は、全部の会話を流し読みしておきたい(メンションされたときだけ読むのではなく)

逆に、チームごとにきちんと情報統制をしたかったり、上下関係がしっかりしていてエスカレーションという形で相談を受け取りたいなら、Teamsの方が向いている。

それぞれの特徴

それぞれの特徴を、思いつくままいくつかの比較ポイントでまとめてみる。

  • Teamsは、「他のチーム」に話しかけるハードルが高い。自分が所属するチームの中での会話になる。
  • Slackは、「話題を作って、話しかけたいメンバーを呼ぶ」という使い方になるので、チームに話しかけるという考え方が薄い。

  • Teamsは、全員と会話できるチャンネルが無い。まずチームありき。

  • Slackは、全員所属するチャンネルがまず最初に作られる。

  • Teamsは、自分の関わる会話だけを読むという使い方になりやすい。チャンネル内にさらに「会話」があり、会話単位で通知有無が決まっているので。

  • Slackは、すべての会話に目を通す使い方になりやすい。チャンネル単位で通知が来るし、「次の未読の会話へジャンプ」というショートカットキーがある。

  • Teamsは検索機能が大雑把で、チャンネル内検索もない。どちらかというと、検索ではなく会話全体を保存して読み直す使い方になる。

  • Slackは検索機能が強く、チャンネル内や発言者などでの絞り込みもできるので、雑多な会話からキーワードを拾って読み直す使い方になる。

  • Teamsは会話上でできる操作が少なく、Office365の他のアプリを追加してそれを共有する形になる。例えばTODOを管理するなら、Plannerなどをタブで追加してチーム内で共有する。

  • Slackは会話上でできる操作が多く、会話に対して操作したりコマンドを打つ形になる。例えばTODOを管理するなら、会話自体をそのままピン止めしたりリマインドしたりできる。bot系が目立ち、チームで共有するより個人で操作するシーンが多い。

このような特徴から、Teamsは事前に決めたチーム内での強い情報共有(情報統制でもある)を狙った作りで、Slackは全てを共有した上で話題ごとに即席のチームがあちこちで生じる使い方を狙ったツールだと考えられる。

※どの指摘もそうだが、TeamsをSlackっぽく運用することもできるし、その逆もできる。これは、どの運用をやりやすいようにデザインされたツールなのか、という話。